無料相談サービスで疲弊している便利屋さんはお読みください。
目次
便利屋を運営している方によくある質問
「無料相談サービスをはじめました。けれど反応がかんばしくありません。
どうしたらいいでしょうか?」
便利屋業界には「無料見積もり」という文化があります。
無料見積もりと、無料相談はかなり近しい「無料サービス」です。
見積もりなのに細部まで相談をされる。
無料相談なのに、本当はお金を貰わないと
できない見積もり作業までしてしまう。
そんな方も少なくはない。
私はデスクワークも経験せず、いきなり便利屋を起業したくちです。
なので、この問題には当惑しました。
それに対処法を知らずに損失を垂れ流してきたのです。
会社員であれば、お客さまの細々とした相談に乗っているだけでも
チャリンチャリンと給金が発生します。
あきらかに「この人、お客さんにならないな」と
感じている相手でも接客対応していれば自己の利益になる。
組織に属する人の強みです。
しかし、事業者である便利屋は損をする一方。
どうしたらいいのでしょうか?
回答
まずは教科書的な、建前としての回答をします。
「お礼を言われないということは、相談者さまに対して
ご満足いただけなかった可能性が高いです。
今後は、もっと細かな点や相談者さまの真意をくみ取るように努力しましょう」
以上、終わり。
マナー講座や研修サービスを売り込みたいならこのような方向で回答します。
人格者を気取るならこの路線で行きます。
では、実際のところはどうなのって話です。
誰しもが当てはまるとはいいませんが、おそらくあなたは悪くはないです。
なぜなら、無料相談とは「そういうものだから」。
受け手(利用者)の側に原因があるのですね。
基本、無料相談は感謝されない
基本的に無料相談は感謝されません。
無料相談を受けた相手があなたに対して感謝の意を持っていたとしても、
それを表明する機会はなかなか訪れません。
どうしてか? 理由はその人にしかわからない。
でも、推測はできます。まずひとつは、面倒だから。
お礼の電話やお礼メールをするのも意外と手間なんですよね。
ひとこと「ありがとうございました」だけではそっけない。
けれど、定型文で水増ししても面倒。
自分で文章を考えるのはもっと面倒。
だからあなたにお礼のひとことも伝えない。
もうひとつは、無料だから。
無料なので利用する側も以下のような思いを抱いてしまいます。
- 「無料だから損にはなっていないはず」
- 「無料だけどどこかしらで利益となっているだろう」
- 「無料サービスをしなければならないほど集客に困っているのか」
- 「無料サービスだから使い倒してやれ」
- 「無料サービスだからそれほど価値はないんだな」
など。
だからこそ、実際にあなたが有料となる情報を伝えても無料という要素が
加わるだけで相手は価値がないと考えてしまうのです。
「いや、これ無料じゃなくて有料サービスじゃないの?」
そう看破する方もいるにはいます。
でも、そのような敏い方は最初から無料サービスなんて使いません。
あなたが今まで築いてきたノウハウやテクニック、
手間・時間をかけて無料相談に対応したのに、相手は何も返さない。
無料だからと舐められているふしもあるでしょう。
お礼を伝えるのは全体の 2割あればいいほう
無料相談サービスに申し込んで来た方に、
あなたが誠実に対応したとします。
では、あなたに対してお礼をする方はどのくらいだとおもいますか?
おそらく約 2割程度でしょう。
8割ほどはあなたから回答を貰ったらなにも返しません。
お礼のひと言も言わないのです。
ここでも2:8の法則があらわれてきましたね。
実際、10人中、2人から何かしらの反応があるだけでも良いほうとおもってください。
私は便利屋時代にずっと無料相談を続けてきました。
その後、便利屋とは関係がない事業においても無料相談サービスを設置していました。
当ブログを含めると約7、8年間無料相談をしてきた経験があります。
その経験から申しますと、やはりお礼を返すのは 2割あればいいかどうか。
それほど無料相談の期待値は低いのです。
ただし、電話口での相談であれば「ありがとうございました」
くらいはいただけるでしょう。
非対面で、言葉を交わさないメール相談・メール見積もりだと
2割程度に落ち着きます。
なお、私だけではなく、他業種・他便利屋さんから
聞いた体験談も考慮しているのでそうはずれた意見ではないと
考えています。
あなたが相手に与える情報の「質」「量」は関係ない
私は間違いを犯した経験があります。
無料相談サービスの反応率が悪く、以下のような考えをしてしまったのです。
「無料相談に応えても、なかなか感謝されない。
感謝されるためにしているわけではないけどやる気が失せるなぁ。
そうだ、もっと伝える量を多くして、的確な答えをだせるようにしよう」
しかし、結果は変わりません。全体の2割程度しか反応がないのです。
お礼を伝えてくる人はあなたに伝える。
でも、お礼を言わない人は、どこまでいってもあなたにお礼をしないでしょう。
なお、回答の質・量はまったく関係はありません。
いくら質が良い回答をしてもお礼を言わない人は言いません。
回答を貰ったきり。あなたの前からフェードアウトします。
でも、お礼を伝える人はほんのひと言の助言をもらっただけでも
あなたに感謝の意を伝えるはずです。
あなたがいくら的確で、質の良い無料相談サービスを提供しても
感謝を表さない人は絶対に表しません。そういうものです。
ほとんどのが、「受け手側」(利用者)の問題なんですね。
ただし、あなたが「無料だから」と、手抜きをしていない場合に限ります。
反応があった 2割を大切にする
当記事を読んでおられる方はおそらく事業者さんでしょう。
なので、事業者目線で申します。
お礼を言わない 8割の人物は無視してください。
注力するべきはお礼をあなたに言ってくれた方たちです。
大事にするのはその 2割の方々です。
あなたをないがしろにした 8割はあなたの人生に必要ないです。
なぜなら、無料相談者からお客さんに変化する確率が高いのは、
あなたにお礼を伝えた 2割の方たちだからです。
あなたをないがしろにした 8割は切ってかまいません。
お客さまになったとしても悪客となる可能性がばりばりに高いんです。
だって、どこからか寄付や補助金・支援金を貰っているわけではないでしょう?
営利組織として活動しているはず。慈善事業ではないはず。
ちゃんと割り切らないと使い倒されますよ。
シビアに言いますと、そもそも無料相談を
申し込んで来た方たちはお客さまではありません。
あなたに価値を見出し、対価を払った人物がお客さまです。
※または対価の支払いを約束した人物
無料相談・無料見積もりで反応があった2割よりも
優先するのはあなたにお金を払った経験がある方です。
無料相談サービスで疲弊している暇はないはず。
無料であなたから時間・情報を奪った相手に
時間を割いてどうするのですか。
無料相談を設ける場合、メンタル管理が必須
便利屋を開業後、無料相談を設ける方がいます。
サービスによっては必要な措置でもあるでしょう。
しかし、疲弊してしまっては本末転倒です。
あなたがいくら無料相談に力をいれても受け手はなかなか感謝しません。
なぜなら「無料」という魔の響きが頭に刷り込まれているためです。
無料相談サービスをするのであれば、
「感謝されないのが当然」であると心がけてください。
これはもう仕方がない事実です。
ちなみにですが、当ブログでもお礼を
伝えていただける方は全体の1、2割程度でした。
よくて 2割いくかな? という程度です。
事業者・起業志望者が相手でもこの程度です。
無料相談サービスをするのであれば、そういうものだという感覚を
持っていないとメンタルがやられます。
それで廃業したら競合の思うつぼです。