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「緊急料金」とは? 便利屋をはじめる前に理解しておきたい料金制度

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便利屋の緊急料金とは何か?

便利屋を開業したばかりの方が戸惑うもののひとつが料金制度です。
たとえば「出張費」「拘束費」などがあげられるでしょう。
しかし、もうひとつ忘れてはならないのが「緊急料金」という料金名目です。

料金制度・名目のひとつですが、
必ず導入しなければならないとの決まりはありません。
導入の有無は各便利屋さんに任されています。

なお、当記事で説明しているのは便利屋事業における緊急料金のみとなります。
他業種に関しては多少の違いが見受けられるので注意してください。

便利屋の緊急料金(緊急対応特別料金)とは?

便利屋の緊急料金とは?

緊急料金は通常料金外の料金を指します。
通常対応外となる状況において依頼を引き受けたとき、
お客さまに提示する料金です。

緊急料金に値する名称はさまざまです。
以下のような名称で使われる場合がありますが、
当記事では「緊急料金」で統一させていただきます。

緊急料金の別名称例

・緊急料金
・緊急対応費
・緊急特別料金
・時間外料金(営業時間外料金)
・夜間対応費
・深夜手当
・深夜出張費

など。

なお、緊急料金とは通常料金に上乗せされる形で合算されます。
ベースとなる料金はあくまでも通常料金です。

どのような場合に緊急料金が発生するのか?

緊急料金が発生する状況は各便利屋において異なります。

「こういった場合には緊急料金を徴収できる」
「このようなケースでは緊急料金は徴収してはいけない」
という縛りはありません。

どのような状況・場合において緊急料金が発生するのかは
便利屋さん個々の問題です。

たとえば以下のような設定をしたとします。

「当日予約の出張組み立て代行は緊急料金をいただく」

以上。

これはお客さま側からすれば
「作業実施日の前日には予約をとらなければ緊急料金が発生する」
事実を指します。

なぜ緊急料金をとるのか? その理由はあなたの日程管理です。

いきなり依頼をされても対応に手間取り、また、日程によっては
しばらく待ってもらう状況も多々あるためです。

自分で何かしらすぐさま対応できない原因がある。

このような問題を持っていても、すぐさま対応してもらいたいお客さまも
いるのです。そのようなお客さまに対して設けるのが緊急料金です。

また、緊急料金をもらう場面としてありがちなのは「営業時間外」の依頼です。

大手便利屋やFC直営店ならともかく、
24時間営業ができる個人の便利屋さんはなかなかいません。

逆に言えば、どうしても営業時間を設けなければ
ならない便利屋さんもいるというわけです。

しかし、営業時間外にもお客さまから連絡が来る場合があります。
夜間の虫退治・害虫駆除が代表的かもしれません。

深夜に自宅の庭に蛇があらわれた。ゴキブリがでた。
でかいクモの死骸を寝室で発見してしまった。
などの理由から営業時間外も承知のうえで連絡をしてくるのです。

できるだけはやく虫を除去してもらいたいとのおもいから、
近場の便利屋に頼む方はめずらしくありません。

営業時間外であるとわかっていてもどうにかして欲しいから
連絡をして来るのです。

このような状況においてはまだあなたの体制は整っていないはず。

明日の依頼に備えてるため、早めに床についたのに、
いきなり電話で起こされたのです。

眠い目を擦りながら、お客さまの要望を聞き料金を提示する。
お客さまのもとに車を飛ばして、さらに詳しい内容を聞く。
そのあとで実作業をこなす。料金を受け取ったとも仕事は残っています。
自宅に帰ってからも道具の整理や、後始末をするはめになります。

緊急料金を請求するのはなんら不当ではありません。

「こんくらいで緊急料金はいただきませんよ」
こう言って、通常料金だけをもらうお人好しな便利屋さんもいるでしょう。

しかし、そのような方たちは潰れる可能性が高いです。
「無理を言っても通常料金で」

「お客さまからの要望にはいのいちばんで『はい』と答えましょう」
便利屋成功者の書籍やブログではこのように言われがちです。

しかし、言葉の「裏」を読み取れないと間違った
方向へ行くので注意してください。

成功者は人格を売りにする部分があります。
わざわざシビアな現実をつきつけて、汚い面を見せるわけはないですから。
建前と本音を上手く使い分けていたから成功したのです。
ここだけの話、先達の「建前」を鵜呑みにして潰れていく
便利屋さんはそう珍しいものじゃありません。

緊急料金の相場とは?

緊急料金の相場は1.5倍です。
ただし、あくまで目安と捉えてください。

低額サービスやに限っては通常料金にプラス千円だけ。
準備のかかる高額サービスには 2~3割増しなど、
緊急料金の幅は個々の便利屋さんに任されているのが現状です。
便利屋業界で明確に定められているわけではありません。

とはいっても参考にならないので、私のケースを紹介します。
私が緊急料金を設けていたのは外注が発生する依頼です。
※便利屋の運営初期においてはほとんど緊急料金は
いただいていませんでした。

なぜなら、外注者(他人)を無理に動かすにはそれだけお金がかかるためです。
自分自身が動くのではあれば、多少無理があっても自分が辛抱すればいいだけ。

緊急料金をとるかどうかも自分の一任です。
しかし、他人を予定外の日程で動かすとなると、
それだけ負担も押し付けることにつながります。

「急だけど明日までにこの作業をしておいてね。
あ、料金はいつものとおり5千円でいいよね」

とはいきません。負担をかけた分、色をつけなければ二度とあなたに
協力してはくれないかもしれません。

もし、相手が引き受けてくれたとしても不満は募っていくばかり。
緊急の作業を通常料金で済まそうとするのはいけません。
どうしても特別な手当が必要です。

では、その特別な手当、お金はどこから都合するべきか?

自腹もいいかもしれません。

しかし、いつまでも自腹を切っているとジリ貧になっていくばかり。
そんなときの緊急料金です。

お客さまからいただいた緊急料金を、外注さんに渡す「特別手当」に
充てるのです。そうすればあなたの懐は痛みません。

外注さんとの交渉次第では緊急料金の一部だけを渡し、
残りを懐におさめるというやり方もできます。
緊急依頼があるだけ、儲けられるというわけです。

しかし、あくまで小銭です。大きな額ではないでしょう。
今後の活躍にも期待して特別手当は奮発するべきです。
私もお客さまからいただいた緊急料金分は、外注さんに渡していました。

ただ、難易度の高い料金であっても通常料金の2倍にはした経験はありません。
2倍ともなると反応が極端に下がるからです。
お客さまからすれば「足元を見られている」とおもうのでしょう。

低額のサービスであれば1.5倍以上。
高額サービスであれば通常料金にプラス5,000円など、
ある程度、値付けルールを決めておくと後々楽ができます。

緊急依頼を何度も経験していくと自分にとって妥協ができる価格が
わかってくるはず。まずは通常料金にプラス数千か、1.5倍程度で
様子見をしてください。

私の例

第三者を緊急依頼に巻き込む場合、利益の分配は重要。
なぜなら、今後の人間関係に影響するためです。

以下のケースの場合、3つの選択がとれます。

通常料金5,000円の場合。緊急料金は7,500円。
(通常料金5,000円+緊急の対応費として2,500円)

  1. 2,500円を懐に納めて、外注さんには特別手当を渡さない、
    ※特別手当を外注さんに渡さない
  2. 500円だけを外注さんの特別手当に充てる
    ※自分の取り分を大きくする
  3. 2,000円を外注さんの特別手当にする。残りの500円は自分のものとする。
    ※相手の取り分を大きくする

実作業をしなくても、お客さまとの相談対応をしているのです。
通常料金に上乗せされた額の一部を、あなたがもらっても不当とは
言えないでしょう。

私は依頼の難易度や、外注さんにどれだけ無理をしてもらったかなど、
各要素を考慮して特別手当を決めていました。

他の予定(別件)があるのに、優先的に仕事を引き受けてくれた。
そのようなときは、自腹を切って特別手当を出した例もあります。

トラブルを避けるためにも「事前説明」「了承」が必要

緊急料金を請求すると、お客さまから文句をいわれるケースもあります。
「そんな制度があるなんて知らなかった」と。

そう言われないためにも予防策をとってください。
予防策とは事前説明です。

まずは宣伝媒体に緊急料金の項目を設けてください。
ウェブサイトを所有しているのであれば、ウェブサイト内で
「緊急料金について」の説明ページを設定するべきです。

緊急料金について言及するのは以下のページです。

1.料金表ページ
2.個別ページ(緊急料金の説明だけを記したページ)
3.利用規約
4.各サービスの説明ページ

以上。

1~3に記載しておけばまず不当なクレームは防げるはずです。
個別ページはなくても、最低限「料金表ページ」(料金一覧ページ)と、
「利用規約ページ」には説明を掲載しておいて欲しいです。

次に、口頭での事前説明です。

緊急の依頼の場合、お客さまが焦っている状況もありえます。
「とにかく急いで!」
「とにかく来てちょうだい。それから説明するわ!」
こう言って、あなたを急かす依頼者がいないとも限りません。

電話口で焦っているお客さまの声を聴くと
以下のようにおもいがちです。

「現場についてから判断すればいいか」
「現場についてから説明すればいいか」

しかし、現場についてからは手遅れだったり、
なし崩し的に依頼を引き受ける流れになる場合だってあります。

現場に行く、それだけでも費用が発生しています。
サラリーマン的な感覚でいてはいけません。

明確に事前に、緊急料金の説明をして「了承」を得てください。

作業が終了したあとでこう言い放つ人もいるのですから。

「緊急料金については理解したわ。でも、了承はしていないのだけれど」
「ああ、そんなことも言っていたね。でも、これっぽっちの依頼で
料金が加算されるのはおかしいじゃないか?」

緊急料金の説明だけでは不十分です。
言い逃れの口実を与えないためにも、
必ずお客さまの了承をとっておいてください。

緊急依頼を重ねていくと、感覚が鋭くなってきます。
ときには相手の声音を聞くだけで、
トラブルになりやすい依頼かどうかを察せられるでしょう。
「やばそうな依頼だな」とおもったら断るか、
事前に録音をしておき、トラブルに備えてください。

緊急依頼はクレーム発生率が高くなる

緊急料金が発生する依頼(以下、緊急依頼)をして来るお客さまは
クレーマーと化す確率が、通常依頼よりも高いです。

なぜなら緊急という、余裕のなさから生じる各種の問題が起因しているからです。
その問題は、お客さま・あなた(便利屋事業者)どちらにもあるのです。

お客さまの状況を鑑みれば、差し迫った状態。
その依頼・作業がすぐさま必要な場面。
ということは、タイミングが悪ければなにもかも水泡に帰す事態です。
あなたが必死になって対応しても、お客さまの希望に沿えない場合も
十分にあり得ます。

お客さま「もう遅いです。なぜもっと早く来てくれなかったんですか?」
お客さま「作業をしていただいていないので、料金を支払う必要はありませんよね?」

こうなれば、交通費も準備費用いただけません。
回避するには、緊急料金とは別に「出張費」についても説明する
必要があるでしょう。

(例)「私が現場に到着した時点で、出張料金として千円が発生いたします。
着手不可能な場合であっても発生する料金ですがよろしいでしょうか?」

緊急依頼は、お客様さま側に余裕がありません。
事態を正確に把握しているとは言い切れないので、
現場に到着してからさらに要望が積み重なるケースだってあるでしょう。

そうなるとあなたの準備不十分からクレームにつながる
可能性だって否定できません。

また、あなたのヒアリング不足によるクレームが
発生するおそれも高まります。

通常の依頼であれば時間に余裕がある。
なので、じっくりと事前に丁寧な相談対応できるでしょう。

ですが、緊急依頼となると時間がとれません。

あれこれと詳しく聞いて、わからない箇所があれば
質問をして明確化していく。そしてお客さまの要望を
把握していくという流れ。これがなかなかできません。

だからこそ、お客さまの要望に十分に沿えなくなる。
よって、クレームも発生しやすくなるというわけです。

緊急依頼はお客さま・あなた(便利屋事業者)のそれぞれの
立場に拠った問題が生じやすくなる。そう捉えてください。

緊急依頼を一切引き受けないのも選択のひとつ

緊急依頼は緊急料金を請求できます。
しかし、それほど旨味があるかというと首をかしげるところです。
時間外労働となる場面もあるので、日程の調整も発生するでしょう。
アルバイトに無理をさせるかもしれません。

なにより、交通渋滞や何かしらのトラブルによってお客さまが
もとめる時間帯に現着(現場に到着)できないおそれだってあります。

「お金は関係ない。困っている人を助けるのが便利屋だ」
お金を二の次にするのであればどんどん緊急依頼を引き受けても
大丈夫でしょう。しかし、緊急依頼を受ける度に、なにかしら
不都合な事や、許容できない負担が圧し掛かるのであれば
やめるのもひとつの選択です。

依頼が乏しい開業初期だけ緊急依頼を受け付ける。
顧客数も増え、仕事に困らない運営状況になったらすぐにやめる。
最初は緊急依頼に一切対応しない。
ノウハウが蓄積され、体制が整ってから緊急依頼にも対応する。
など、あなたの運営スタイルに合わせた料金設定・対応制度を採用してください。

なお、依頼・サービス単位で緊急依頼の制限を設ける方法もあります。

制限を設ける場合には、かならず宣伝媒体(ウェブサイト・SNS・チラシなど)
にその旨を記載してください。

(例)「基本的に緊急対応しておりません。必ず予約をおねがいします。
しかし、サービスAだけは緊急対応が可能です」

緊急料金は必ずしも請求しなければいけない料金ではありません。
しかし、サービスしすぎるのも良くないのです。

「この程度で別名目で料金をいただくのは悪いかな」
この姿勢は悪いとは言えません。
ただ、小銭といえども緊急依頼を受ける度に積み重なっていきます。
どんどんあなたのお金=時間が他人に奪われているのと同義です。
組織に属し、給金を貰っている立場であればそれほど痛みはないはず。
ですが、あなが便利屋オーナー・事業主であるならば別です。
お金をいただく線引きは明確にしないと困るのは当のあなた本人ですから。

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