現場の空気を伝えるにはありのままの画像をブログに掲載するべきです。
あまりにも整った服装や清潔感がある画像だと、個人運営の便利屋では怪しまれます。
脱サラ便利屋開業者Aさんのケース
脱サラ起業をしたAさんのケースです。
夫婦で便利屋を営んでいました。
しかし、集客に悩みコンタントT氏へ依頼。
歳も歳なので、最近流行のブログでの集客方法の教えを請いました。
T氏からメール相談で貰ったのは、ブログの記事量産と、
仕事現場・作業中の写真をブログに掲載するというアドバイス。
でも、あまり効果はありませんでした。
T氏のアドバイスは間違ってはいません。
常識では明らかにまっとうなアドバイスでした。
それでもアドバイスにしたがったAさんは結果をだせなかったのです。
なぜでしょうか?
開業・経営コンサルタントT氏のアドバイス
T氏からのアドバイスには続きがあります。
「作業中の写真を撮影すること、ただし清潔な服装で」です。
T氏はコンサルティング会社から独立した方です。
その方は立派な経歴をお持ちの方です。
そしてご自身でもシニアを対象とした起業アドバイザーとして
一定の信頼を得ています。私もブログを読みこんでみました。
経営手法が~戦略が~意思決定が~と、なかなか抽象的な
内容で、学がない私には意味がわかりません。
と、いうか「具体的にどうすれば言いの?」って言いたくなるくらいの冗長さでした。
でも、顧客はかなりの数を抱えている様子。
それでいて明らかに間違った意見を押しているわけではないので、
Aさんには何もいえませんでした。
ただ、私には便利屋としてどろ臭くても生きてきた経験があります。
そして、その当時でも複数の個人便利屋さんの各種事例を見てきました。
だからこそあえてT氏とはちがったアドバイスをしたのです。
どうやらT氏は10年ほどまえの知識しかなかったようです。
便利屋程度であれば「ウェブサイト(ホームページ)を」「地域(xx市)+草むしり」で
検索上位を獲得したら仕事が貰えると勘違いしていたのです。
チラシよりネットを活用すれば仕事が殺到する、というネット参入初期組みの
ノウハウしか持ちえていません。※あくまで推測
また、発見もありました。
T氏のブログを読み込んでわかったことは、
T氏の対象としているお客さんは「それなりにお金を持っている人」です。
定年退職をして資金を豊富に持っている方々です。
そのような方たちは便利屋よりももっと割りの良い商売。
見栄えの良い商売をするのですね。
対象がすこしズれていました。
日常的に資金豊富なはたから見ればまともな商売を
はじめようとする方ばかり相手にしていたので、
その層へ「最適化」されていたのでしょうね。
だからこそ、泥臭い商売とされる便利屋に関するアドバイスが
昔の感覚のままだったのです。
かといってT氏が間違いを犯しているわけではありません。
ただ、Aさんがはじめようとしている便利屋ついては
ひとむかしまえの知識しかもっていなかった。
便利屋についての現場から得られる情報のストックがなかったようですね。
でも、まだ通用する手法をアドバイスしていたようです。
経歴が立派なT氏とおなじ角度で攻め込んでも味気ない。
いや、負けてしまうと思った私は経験則を持ち出しました。
「もっと泥くさい現場のありのままを撮って下さい。
そして、ブログに掲載しつづけてください」と。
Aさんのブログには泥臭さがなかった
Aさんのブログはあまりにも小奇麗でした。
草むしりやらゴミの撤去。屋根・縁台修理から家具の移動など、
従来の便利屋然とした業務をしているのにその雰囲気が感じられません。
リアリティがないのが原因だと感じました。
見込み客に疑似体験をしてもらうのに必要なビフォーアフター画像も
綺麗なものばかり。
泥はねひとつ、黒ずみひとつもないパリッとした作業服を着こなした
若い男性が写っているだけです。
年配の方からみると、力のある男性がいるとアピールできれば
仕事が入ると思っているようです。
でも、年配の方には「私も同じ年配の者ですよ」と、伝えたほうが効果的です。
依頼者のなかには若い人に話が通じるか不安な方もいるからです。
Aさんには若い男性スタッフもいますし、Aさん自身が50代。両方から攻めることが可能です。
なぜ保有している資源を活用しないのか意味がわかりません。
そこで、T氏のアドバイスに重ねるように提言したのが以下となります。
経験則からのアドバイス
・実際の現場写真をブログに掲載する
・作業服はいつも使っているものを着用する
・写真にはAさんと若い男性スタッフをおさめる
・写真を撮るからといって洗いたて、新品の作業服に着替えないこと
・可能であれば Aさんが年配者の方と話をしている写真を撮ること
「綺麗な服を着ないでありのままの姿を見せてあげてください」
「作業服を統一する必要はありません」
「現場感(臨場感)が漂う写真をアップ(ブログに掲載)してください」
けれど素直に言った通りにしてくれるとは思っていません。
Aさんは50代後半。私は20代の中頃です。
もう連絡も来ないだろうな、と通常業務に戻っていました。
でも、とある日にいきなりAさんからのメールが届きました。
中身は近況が書かれています。
月4件あれば上出来だった依頼が月平均 8 件になったとの連絡でした。
ただ、アクセス数はほとんど変わっていないとの報告。
※おそらくPV(ページビュー・閲覧数)も増加したと思われます
Aさんのブログを見ても記事を頑張って更新した、というわけでもなさそうです。
私自身、ここまで効果があるとは思っていませんでした。
依頼件数がいきなり2倍ですからね。
Aさんの元からの頑張りもあったと思います。
もとからAさんは見込み客をとりこぼしていたということでしょう。
私は依頼申し込みまであと一歩を手助けしたに過ぎません。
運が良いケースとも言えます。すこしブログに手を加えただけで普通こうはなりません。
もしかしたら、別の要素も絡んでいた可能性があります。
T氏からのアドバイスが効果がなかった理由
AさんはT氏から言われた「清潔感」を大切にしていました。
お客様へ不快感を与えないように配慮していたのですね。
だからこそT氏の意見に共感した。
しかし、あまりにもT氏の意見に追従してしまったのです。
T氏は現場を知りませんから、ある程度A氏が軌道修正をする
必要があったのです。
度を越した汚さは駄目です。
でも、度を越した清潔さもかえって嘘っぽくなります。
ただ、お客さんによっては清潔さを
アピールしなければなりません。
若い女性層を見込み客として想定するのであれば、
実際の現場とはかけ離れた清潔さをアピールするべきだと思います。
実態はどうあれそうしないと見向きもされません。
つまるところアピール方法は業種・対象によって異なるということです。
上記の手法はそぐわない場合もあり、効果的な場合もある。
それだけです。今回はうまくはまっただけ。
しかし、難しいことはありません。
実態そのままをブログに反映されるだけで良いのですから。
ブログは何回でも修正が可能です。
反応が悪ければそのつど写真を張り替える・あえて写真の説明はしない、など
修正すればいいのです。