便利屋においてありがちなトラブルと、その対処について説明します。
「契約書をお客様に渡しても、なかなか書いてくれない」
「こんな小額の依頼に契約書は必要ないでしょ? と締結を拒否される」
このような悩みを持っている方は最後までお読みください。
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契約書(請負契約書)の締結を拒否される
便利屋を続けていくと、あるかもしれないトラブル。それが契約書に関するもの。
そのなかでも、出会いやすいのは「お客さまが契約に同意してくれない」ケース。
複雑な依頼でもないのに、同意してくれない。そんなお客さまはたしかにいます。
電球交換・ちょっとした買い物の代行など。
簡単な依頼においてはきっちりと契約書を交わす便利屋は珍しいかもしれません。
商習慣というのか、契約書がなくても口約束で済ます場合も多いのですね。
そのような習慣に慣れてしまっているのかもしれません。
これはお客さまもおなじです。
「なんで契約書を書かなきゃいけないの?」
(なんでこんな簡単な依頼で便利屋と契約書を締結しないといけないの?)
契約書を書くのを嫌がる依頼者さまはいます。
ただ、全体から見れば一握りです。
便利屋はうさんくさいモノという認識がある方たちは、そもそも依頼はしません。
ですが、やむにやまれず便利屋に相談する方だっているのです。
そうなると出会うのが契約書アレルギーの方たち。
「何か不利な契約を結ばれるかもしれない」と、警戒感をあらわにします。
A4用紙1枚におさまる契約書にだって同意したくありません。
そもそも読まないパターンだって存在します。
そういったときにどうすれば良いのか?
相手を説得するしかありません。
たとえば以下のように話しかけるのも良いでしょう。
(例)「他のお客様にも書いてもらっていますので、ご協力のほどよろしくおねがいします」
教科書どおりの台詞です。論理がすこし破綻していても日本人なら納得しそうな
言いかた。ひと昔前の書籍にはお手本として記されていそうな説明の仕方です。
しかし、以下のように言われてはどうしようもありません。
「他のお客様でしょ? 私(俺)は書きたくない」
なぜ、拒否されるのか?
それは「契約書を書いてもらう必要性」この点を伝えていないためです。
ですが、まだまだ通用します。その場の勢いで乗り切ることもできるでしょう。
しかし、消費者は賢くなってきています。
この程度では納得してはくれないお客さまもいるはず。
お客さまは警戒心から契約書を締結するのは嫌がっているわけです。
そのため、警戒心を解くのが重要です。
なので、この場合は「これはお互いのためである」と納得をさせるが最良でしょう。
お客さまに対しての説明台詞
契約書のサインを渋るお客さまに対して、効果がある台詞を以下に紹介します。
(例1)
「-------」
一般的ですが、ちょっと一方的な気もする説明台詞です。
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(例2)
「契約書に同意していただけますと、万が一、私どもから不当な請求があったとしても契約書を盾にできますので、書面に残しておいた方がお得です」
補足説明:私たちはぼったくり業者ではないとのアピールも兼ねています。
(例3)
「私たちに~~~~~~~~で安心してください」
補足説明:
以上のように説明する場合、お客さま(依頼者)に不都合があったときの
即時契約解除の条項が盛られていないと嘘になります。ご注意ください。
(例4)
「----------------------」
※自分(代表)以外のスタッフ(従業員)を向かわせたときの現場においては結構使えます。
わざわざ「社長(または責任者)に電話させないよ」とまで言う方はほとんどいないため。お客さまが「仕方がないわね」と納得してくれる魔法のワードです。
正直、意外と使えます。
(例5)
「契約書はもしトラブルになったときに、お客さまが不利にならないように設けています」
実態として契約書は相手を守るためのものでもあり、あなた(事業者)を
守るためのものでもあります。ありがちなトラブル「言った、言ってない」を
避けるためにも非常に有効です。
契約書を交わしていないとこんな目に遭うかも?
お客さま「え? ここまで作業してくれるって電話では言ってましたよね?」
あなた「いいえ。作業はこの範囲までと先にお伝えしておりました」
お客さま「私が聞き間違えたっていうの!」
あなた「ああああああああ」
相手が顧客であり、信頼関係が築けていればこのようなトラブルは避けられます。
しかし、最初は相手(お客さま)がこちらを信頼していない状態から始まるのが普通。
この最初のハードルを超えるためにも説得する術を学んでください。
なお、契約はメール・口頭でも成立はします。
ですが、やはり一番効果があるのが書面です。
その後のトラブル発生率が段違いです。
なのでできれば書面に起こし、残しておいてください。
事前に契約書の説明をしておく
電話口やメールにて伝えておくのも回避方法のひとつです。
メールで問い合わせたお客さまに対しては、メールに契約書全文を記載する。
またはPDFファイルや画像を添付し、事前に契約の中身を知らせておきます。
それから現場にて契約書を提示するだけ。
抵抗感が薄まるので、スムーズに契約に同意してもらいやすくなります。
ただし、事前に伝えた契約内容と違ったら「詐欺」「ぼったくり」とおもわれるおそれもあるので注意。
必ずお客さまには事前に伝えた契約書(またはファイル)と同じ契約書を渡してください。
現場においてはどのタイミングで契約書を書いてもらうのか?
基本は「作業の着手前」です。
口頭契約のみで軽く作業をしたあとに、契約書に同意してもらうおうとすると
お客さまの抵抗感が増す傾向にあります。
接客に慣れていないはじめの頃は、契約書にサインをしてもらわないうちはテコでも動かない。
こういったスタンスをとっても良いでしょう。
なお、お客さまに作業開始を知らせるのも忘れないでください。
言い回しの例は以下です。※人によって異なります
(例)「同意していただきありがとうございます。では、今から作業に移らせていただきます」
このように、有料となる作業(サービス)の区切りを明確に伝えておくとお客さまも安心します。提供サービス・業種によっては異なるかもしれません。
お客さまとの契約に関して、別の説明については「便利屋の始めかた: 特技・スキルなしから月収50万円を目指す開業方法」で解説しています。
登録スタッフ採用時の契約において、もめがちな点については「稼ぐ便利屋はやっている。失敗しない登録スタッフ制のはじめかた: 売り上げアップの成功法」をご参照ください。