よくある質問の定番、「便利屋をはじめるのに修行したほうがいいですか?」
この質問に対しの私個人としての考えは「とくに必要ない」です。
丁稚・修行期間は必要か?
便利屋開業志望者が、便利屋で従業員、または登録スタッフとして働かせてもらう。
いわゆる丁稚(でっち)期間。本当の丁稚はお給金なんてもらえませんが、
現代では見習いとしてお給金がもらえます。
仕事を学びながらお金をいただけるわけですからメリットだらけでしょう。
でも、無理して修行するのは違うと私は考えます。
提供できる力をもっていれば即開業でも問題ないとさえ思っています。
便利屋の利点は人が困っている・悩んでいる事柄を解消するサービスを
提供するのが基本です。
ですから、その基本ができていれば見習いを経なくとも提供者になれるのです。
しかし、工具・機器の扱いに習熟していないと請け負えないサービスが
あるときには見習いとして他便利屋で働くのもありです。
反論「実務はできても経営(運営)ができないよ」
そうですね。でも、運営・集客はあとからでも勉強できます。
便利屋として経験を積みながらでも可能です。
それに修行といっても何もかもを雇い主が見せてくれるわけではないのです。
なにせ運営の根幹である集客については秘匿しがちです。
その部分をにぎられるとあとで従業員が大きな競合となるかもしれない。
このような急所は隠しとおしているはずです。
ですから見習いとして教えてもらえるのは「作業」「お客さんとの付き合い方」
が多くを占めると推測できます。
見習いのメリット
便利屋として見習いをするメリットは何か?
ひとつは仕事を盗み見る機会を得られる。
ひとつは便利屋業務のながれを体験できる。
そして、「自分に合っている仕事かどうかの確認が可能」な点です。
想像していた便利屋と実際の便利屋は乖離しているのか?
想像していた体力消費量はどうかのか?
これから本業にした場合、継続できる自信があるのか?
それらを実地で学びながら体感できます。
意外と盲点なのがここ。
仕事の飲み込みがはやくてお客さんとの交流も上手。
飽きさせない会話をして、常に笑顔。
人柄も良いのでリピーター続出。
けれど悩む。「ああ、やっぱ全然向いてないなぁ」と。
いるんですね。こういう人。
明らかに独立したら成功するかもと思える人。
なのに、そういう人に限って開業しない。
勤め人に戻っちゃう。
けれどそれもありです。
短期間便利屋をして資金を得るためであれば十分通用するでしょう。
でも、長年便利屋として生き続けたいのであれば適正が必要です。
仕事が下手でもお客さんとの会話が下手でも続けられる人は強い。
便利屋としては生きていけるか、不安な方は見習いをしても損はありません。
優秀な人は独立させない?
優秀なスタッフは貴重です。ですから意地の悪い便利屋は見習いを飼い殺します。
だって独立したら競合になるはずですから。
搾り取るだけ搾り取る。
操作経験を積まなければならない清掃機器を
あえて使わせない。
現場見積もりに同行させない。
相場も教えない。
仕事のコツも教えない。
独立に必要なことがらは小出しにして働かせる。
色々仕向けられます。
自分の商圏と重ならない遠方からの希望者のみ、
住み込み見習いを募集している便利屋もいましたから。
やはり商売ですので油断はできないということでしょう。
なぜ立ち止まるのか
「えー…けど、便利屋だって簡単じゃないし修行してからのほうが」
「もっと勉強してから独立します」
なんじゃそりゃ。
まずはできるサービスをメニューとして
掲げてそれから請け負う範囲を広げていけばいいんじゃない。
なのに、この真面目さ。誠実過ぎても商売はできませんよ。
もっと押し出していきなさいと言いたくなります。
ひとつひとつの仕事が丁寧な人にこそ、この傾向が見受けられます。
一方。ちゃらんぽらんな私のような人間は――
勝算もないのにいきなり便利屋はじめちゃったりします。
便利屋といえでもビジネスですから本気に取り組むべきです。
でも、どこかで気楽さがないとやっていけません。
この線引きがうまい方がより大きく稼げます。
やはり、このあたりは若者より年配者に軍配があがるでしょうね。
現に体力に乏しい年配者でも便利屋として生き生きと働いている
方が数多く存在しますから。
まとめ
- 修行期間がなくても便利屋開業は可能
- 取り扱うサービスによっては修行もあり
→結局は自己判断に落ち着く - 未来の競合として辛くあたる雇い主(師匠)も居るので注意
- 便利屋を継続しつつ、必要なときに修行する方法もあり