便利屋開業を検討されている方は最後までお読みください。
最近、コロナ禍の影響なのか私(荻野)がアマゾンで販売しているkindle本の
売り上げが伸びています。コロナ前はほとんど売れなかったのに。
それだけコロナの影響は深いという証左なのでしょう。
そしてメルマガ登録者数・相談件数も順調に伸びています。
そこで今回はいままで避けてきた便利屋開業志望者に
「ありがちな質問」に応えようとおもいます。もはや定番の質問です。
なお、避けてきた理由は「誤解を与えてしまう恐れがあるため」です。
今回は回答相手(層)を絞り、そうそう誤解をされないと判断したため記事を公開しました。
「田舎でも便利屋は開業できるのか?」の先にある不安
便利屋開業希望者・検討者にありがちな質問。
それは「田舎でも便利屋は開業できるのか?」
答えとしては「どこでも開業できる」です。
税務署に行って開業届を出すだけですから。
すこし意地悪をしました。文面だけをとらえれば上記の回答となります。
ですが、この質問の先にある、本当に聞きたい内容・真意は違います。
「私は田舎で便利屋を開業しようと思っています。
でも、田舎で便利屋を生業としていけるのでしょうか?」
要は、田舎の便利屋として食べていけるのか?
家族を養っていけるのかを聞きたがっているのです。。
結論から述べます
まずは結論から。
- 田舎でも質問者がおもうほどの便利屋の需要があるかどうかはわからない
- 田舎でも競合はいる。この点は都会も田舎もおなじ
- 同業者(便利屋)が一軒もない土地には注意するべし
以上。
この手の質問をする人の立場はさまざま。
ですが今回は以下の3つに分類します。
- すでになにかしらの事業をされており、便利屋に移行する人
- すでになにかしらの事業をされており、事業拡大のために便利屋業も兼業しようと
- なんら事業もしておらず、まっさらな状態から便利屋を開業する
※脱サラ組の一部もここに属します
おなじ質問でも「質問者」は異なるでしょう。そう、「立場」がちがうからです。
つまりもてるリソース(資源)も異なるというわけですね。
この認識を持っていないと誰にも刺さらない回答となるため、
ここで回答先を明確にさせていただきます。
当記事の対象(回答相手)は三番に該当する人、あなたです。
当ブログでも何度も言及しているとおり、土台があってそこから便利屋
を開業する人と徒手空拳で便利屋の立場はまったく異なります。
よく便利屋開業についてちぐはぐなことを言う方がいますが、
原因は回答者の立場の違いです。
ゼロから便利屋をスタートしようとする方に、
自身の経験の上でだけで語るのが原因。
例えば自身は「元引っ越し屋」という土台があるうえで
便利屋という立場を築いてきた。
なのに、ゼロかスタートしようとしている人に
対してもおなじ目線で話してしまう。
自身とおなじ経験・資金・人脈があると前提のうえで話してしまう。
これが混乱のもとです。私も犯してしまいがちなミスですね。
当記事ではできるだけフラットな立場で話しますが、
どのように判断するのかは読者のあなた次第。
その点を留意していただいたうでお読みください。
「田舎は競合がすくない」は当たらずも遠からず
便利屋業界はここ十数年でもかなり変わってきています。
注意:開業希望者やすでに便利屋をしている方の話を統合しての意見です。
ひとむかし前は「すこし田舎のほうが有利」なんて話もありました。
便利屋という競合がいないからこそ、都心部から離れた場所(郊外)が
需要があるとされていたのです。でも、それは昔です。
便利屋という業種が認識され、需要も広がった。
しかし、便利屋が提供するニッチサービスにも目をつけた方たちがいます。
それは各専門業者です。今までは収益性が低いからと手をつけなかったサービス。
お客さまから「~はしていませんか?」と問われても「うちではやっていなよ」と、見向きもしなかったサービス。そのようなサービスにも手を広げているのです。
簡単に言うと今までは専門業者が「小さい仕事」とあなどっていた仕事、
専門家がやることではないと侮っていた仕事を獲得しにきているのですね。
「小さな仕事だとしてもあんたらにはやらないよ」というわけ。
似たようなケースだと「退職代行」があげられます。
あれももともと便利屋が主体となって提供してきたサービスです。
実力も権威もある専門家が食うにこまって小さな仕事を血眼になって
求めてくるようになるとどうなるのか?
割を食うのは専門業者ではない便利屋です。
不利なパイの奪い合いをするはめになるからですね。
いままではその道のプロである専門業者が捨てていた仕事。
その仕事が大きな稼ぎとなっていた便利屋はまさに死活問題。
「専門業者だからできる〇〇サービス」なんてうたい文句は専門業者の特権です。
専門家が本気をだしてきたら対抗するのはむずかしい。
それでもフットワークの軽さや低価格路線で一時は対抗はできるでしょう。
しかし消耗戦です。なにかしらの付加価値を付けて売れるのはほんの一握り。
こうなったら新たなサービスの開拓をするしかないでしょう。
他ウェブサイトでは「田舎なので競合はすくない」との説明が多々見られます。
一概に否定はできません。しかし、その認識はもう古くなっています。
理由は上記で説明した通り。
ひとつは便利屋はもともと競合が多い業種である点。
もうひとつは非便利屋が便利屋がしていたニッチサービスをも浸食している点です。
あなたの仕事を奪う「専門家(その道のプロ)」たち
ひとつの事例を示しますと、老舗の某墓石業者の例があげられます。
当初は「墓参り代行サービス」に良い顔をしていなかったのに某墓石業者。
他人に参らせるのは先祖に不敬にあたるというのが批判する理由。
しかし、認知度が高まり需要が高まってきた。
不景気のあおりもうけたので認識を変え、
墓参り代行サービスを導入したという例です。
もともと便利屋という存在自体が競合だらけの存在なんです。
他業種のように、同業他社だけが競合というわけではありません。
それに田舎にはすでに便利屋のような役割を果たしている
「ホームセンター」という存在が影響力を持っていることもすくなくありません。
もともと便利屋は競合ばかりの業種です。
「田舎だから競合がすくない」という主張を鵜呑みにしてはいけません。
なかには実態を知っているのにあえてそう仕向けている方もいるでしょう。
ただ、私も偉そうには言えません。
なにせ、自身の経験と、最近になり便利屋を開業した方の意見。
そして、ベテラン便利屋さんの話を聞いていないと
この質問には深く考えを巡らせられなかったためです。
以下はあくまで私個人の考えなので注意してお聞きください。
「田舎でも便利屋はできるのか?」
このような質問をされる方が心配しているのは仕事があるのかどうか。
ひいては出店地域で便利屋で食べていけけるのかどうかを心配されているのでしょう。この点についてはわかりません。
起業・商売はどう転ぶか分からないためです。
しかし、多少はアドバイスができます。
それは出店を予定している土地に「便利屋」という同業者がいるかどうか。
便利屋は競合ばかりの業種。それでも「便利屋」という存在がその土地で
何年にもわたって存在している。そうなるとまだ希望が見えます。
自分以外の便利屋(同業他社)が試金石になるのです。
なぜなら、専門業者がまだそれほどニッチなサービスに手を広げていないと判断できるため。
つまり、便利屋が存在できるほどの「便利屋の仕事」の需要があると判断できるためですね。
「この土地には便利屋は一軒もない。狙い目だからここで便利屋を開業しよう」
ありがちな考えです。しかし、考えてもみてください。
便利屋が必要ないからこそ便利屋が存在していない。こう考えることもできます。
いわゆる「外してしまった」という結果になってしまう。
ここ最近、便利屋の開業をすすめるウェブサイト(某フランチャイズ紹介サイト)などで
首をかしげる記事を見かけるため、当記事を作成しました。
再三申しますが、もともと便利屋は競合ばかりの業種です。
便利屋という競合他社(同業者)がいなくても、ほぼおなじサービスを
提供している専門家がいるという事実を知ってください。
「田舎は競合がすくないので出店にはおすすめです」
とだけ語る方はちょと認識が古いです。
ホームページやチラシを撒けばすぐに問い合わせが来たという便利屋業界の
「黎明期~成長期前期」ならいざしらず、成熟期の現段階では合っていない思考です。
いままでは専門家というプライドや収益性の低さから
見向きもしなかった小さな仕事やニッチな仕事。
便利屋が引き受けてきたような仕事を、
血眼になって獲得しようとしているのが今です。
不動産業界や弁護士業界でも似たような例を聞いています。
不景気だからと新規事業に便利屋をはじめようとするあなたと同じように、
便利屋から仕事を奪おうとする競合も増加しているのです。
この記事の参考サイト:【全国対応】便利屋お助けマスターで何でも解決!町の便利屋さん