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便利屋に事業計画書は必要なのか?
個人で小規模の便利屋を起業するのであれば正直、不要です。
ただし、融資・借入・助成金を貰おうとするのであれば必須です。
他人に事業を説明するには事業計画書はなければ何もはじまりませんから。
ただし、数万~数十万円の資金ではじめるのであれば時間の無駄となる場合もあるので
ご注意ください。
いろいろ便利屋さんの内情を見てきた私のごく個人的な見解としては、
「さっさと始めたほうが幸せになれる」です。
事業計画書をつくると、仕事をした気持ちになる
便利屋さんの開業相談を約六年間受けてきました。
しかし、「事業計画書のここが書けないんです」なんて一度もありません。
私に寄せられる相談の範囲が他所とは異なっているとも推測できます。
ただし、「事業計画書って必要ですか?」というご質問はたま~にいただきます。
事業計画書を作ろとする方は真面目なんです。
小規模でもチームで開業するならば必要かもしれません。
しかし、自分ひとりだけ。自営業で初めようと検討していて、
便利屋の利点を消す行為にもなるためです。
事業計画書に何週間、何か月も費やす人だって存在します。
人によっては無駄です。
語弊があるかもしれませんが、とにかく看板を出すのが先です。
便利屋の仕事は、お客様が決めるものですから。
ちょっとしたタブーにふれます。関係者さまには悪意がない点を先に申しておきます。
事業計画書は一般的なビジネスコンサルタントにとっては入口なんです。
事業計画書作成サービスというのは次があるのですね。
言い方は悪いですが撒き餌みたいなものです。
「正直、この人には必要ないな」なんて思ったとしても、
サービスに申し込まれたら対応するでしょう。
それに結構人気らしいです。
なぜなら、事業計画書を作ると「仕事をした感じ」や、
「起業に向けて動いている」感がすごく得られます。
満足感が高いサービスなんですね。
まだ、何も始まっていないのに。
指導するコンサルタント側としても利点があります。
事業計画書の作成指導は、お客様の満足度が高く、次のサービスにつなげやすい。
安定の定番商品。
事業計画書を作ると、何か、目的に向かって前進している雰囲気は味わえます。
ですがとある地点で「で、結局どうすればいいの?」と悩むことになるでしょう。
なお、以下のような質問をされたら私は立場上「書いたほうが良い」と答えます。
(例)「自営業です。ひとりで便利屋をはじめたいとおもっています。融資申請せず、自己資金ではじめたいとおもいます」
事業計画書をつくらないと不安になる
皆がみんな、事業計画書をつくるから不安になるんですね。
私もハまりかけました。周囲に起業した人も、事業計画書を書いた人もいない。
そのような中では書籍やインターネットが情報源です。
実際に便利屋をしていた方の意見なんて気軽に聞けません。
コンタクトがとれても、正直に答えてくれるとは限らない。
本当に何も知らなかったので、書籍についてきた事業計画シートに穴埋めなんてしていました。
シートに書くと自然と事業計画書ができるというよいくあるテンプレートですね。
何か足りないと感じ、事業計画書作成サービスに申し込もうと考えた時期もあります。
しかし、大抵は自己資金が豊富な方たち向けのサービス。
資金はたったの数万円。事業計画書をつくってどうしろと?
いま思い返すと便利屋という業種を知らないコンサルタントに頼まなくて良かったと感じます。
事業計画書づくりはコンサルタントにとっていわばフロント商品。
どんどん引き込まれます。コンサルタントも頼まれれば応えます。
綿密な事業計画書なんて必要ない相手であったとしても。
誰にも見せないけれど事業計画書は書いたほうがいいのか?
「自己資金で便利屋をはじめます。ひとりで始めるので事業計画書は不要でしょうか?」
この質問に対して、私であれば後々の事態を想定し以下のように答えます。
「あっても損はしないので書いても良いのではないでしょうか?」
こう言うしかないのですね。もしかしたら助成金審査のために
必要となるかもしれない。資金以上の拡大路線をとってしまうかもしれない。
そういった事態を見据えのであればあっても損はない。
事業計画書を書くと現状ややりたいことが整理できるとうメリットもたしかにある。
でも、不要かなぁ。
サービスはお客様が決める
手持ちが数十万円。
とくに費用が掛からないのであればさっさと始めたほうが良い結果を得られます。
便利屋の仕事はお客さまが決めます。
どのような仕事(サービス)を提供することになるのかは
わかりません。推測はできますが特定はむずかしい。
「このような仕事がきっとあるだろうから、この機材を購入しよう」
なんてやっていたら便利屋という業種は金持ちしかできません。
仕事があってから、必要となってから必要な道具・機材を購入・レンタルします。
便利屋でありがちなのが、開業当初は想定していなかったサービスが主力商品となること。
当初予定していたサービスの需要が薄く、サブとしてはじめたサービスが
また、地域のお客様から求められたはじめたサービスが売り上げの多くを占める。
こんなのは便利屋あるあるです。
多少は操作は可能ですが、思いもよらないサービスがウケたりするのが便利屋です。
では、便利屋の開業前にやることとは?
競合調査です。相場の確認からあなたが現時点でできるサービスを書きだします。
「これは自分でもできそうだ」「知り合いにこの技術を持っている人がいる」など。
自分で対応できるサービスがきっとあるはず。そのサービスを書き出します。
忘れてはいけないのはサービス名称を調べること。
ズラッとメモに書きだしてください。
便利屋のサービスは、名称が複数あるのは珍しくはなく、
名称によって検索数も異なるためです。他業種と混同させるサービス名称だって存在します。
あまり一般的ではないサービス名称を使うと検索数、受注率にも差が生じます。
たとえば、便利屋の仕事として「恋人代行」があります。
その名の通り、恋人に成りすますサービスです。
しかし、レンタル彼女というサービス名称が流行った今では混同されやすくなっています。
「恋人代行」は、便利屋界隈ではどちらかというと「デート」を主目的としないサービスなんですね。
なので「恋人の代役」とも称することもあります。
また、電話の受け答えサービスも便利屋では「秘書代行」と言うのは主流ではありません。
便利屋の電話代行の一部サービスとかぶりますが、
基本的に便利屋の電話代行は個人の代わりに電話をするサービスです。
便利屋業界独特のサービス名称かぶり、サービス範囲被り。
おなじサービス名称でも提供するサービスが違うなど、
このあたりは経験していくうちにわかってきます。
意図的に認知度が低いサービス名称を使う手法だって存在します。
はじめの頃は混乱するので、まずはよく使用されるサービス名称を使っておけば間違いありません。
サービス名称の検索数はツールを使えばすぐに判明します。
ただし、開業を検討している段階では、自分がどのサービスができるのかを
考えたほうがあとあと楽ができます。
以上はあくまでもごく個人的な見解です。
事業計画書を否定しているわけではないのでご了承ください。